知っておきたい検査機器
分光光度計
中山 年正
1
1虎の門病院生化学科
pp.31-33
発行日 1976年1月1日
Published Date 1976/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200964
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1.構造
装置は図1のように,光源部,分光部,試料部,検出部,出力測定部の5部より成る.すなわち,分光光度計の基本構造は光電比色計のそれとなんら変わらない.比色計と異なるところは,分光器にフィルターを使わずプリズムまたは回折格子(グレーティング)を使っているため,連続的に希望の波長を自由に選択できることである.またその選定した波長の純度(単色性)をも自由に調節できる.この結果,検知器に入射する光量は比色計に比較して著しく小さく,微少光量の検知可能な二次電子増倍管が使われている.
分光部は,特殊な目的に使用するものを除き,最近の機器はいずれも回折格子を用いている.図2はその一例として日立139形分光光度計をあげた.光源ランプ1,2から発した光はミラー3により集光され,レンズ5,入射スリット6,反射鏡7,窓8を経て更に選定集光された光束となり,凹面のコリメーティングミラー9により平行光線となる.回折格子面10により分光された光は出射スリット11により一定の波長幅の光のみとなって通過し,試料セル13通過後の光を受光管16により検知する.測定波長の選択は波長ダイヤルと連動した回折格子面の回転により行う(矢印).
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