おかしな検査データ
血清Al-P活性の異常高値
中山 年正
1
1虎の門病院生化学科
pp.49
発行日 1974年8月1日
Published Date 1974/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200535
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1969年12月上旬,私たちはAl-P活性が235King-Armstrong単位(正常値2.6〜10単位)という,当院検査室始まって以来の異常値に遭遇した.この症例は胸水の貯留があり,胸痛と女性化乳房を主訴として呼吸器科に入院した49歳男子の患者で,Al-Pの高値は全く予想されないものであった.表はこの時の化学検査データをまとめたものであるが,他の肝機能検査は全く正常.当然骨疾患が疑われたがX線検査の結果,骨の異常は除外されてしまった.総タンパクの低下とLDHのわずかな上昇は腫瘍疾患の可能性も示唆するがどう解釈すべきであろうか?
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