最近の検査技術
メンブレンの利用
橋本 光一
1
1バイオエンジニアリングKK
pp.33-36
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200292
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病気の診断と予防は検査から始まる.その検査は,人間の代謝物の中から,ごくわずかな特定の成分を検出することによって診断に役だてている.したがって検査には特別の技術,特に微量の物質を検知する技術が必要である.人間の生活水準が向上し,福祉が増進するほど健康管理と病気の治療法の向上が要求される.それに従ってさらに微量の特定成分の検出が要求される.
ウルトラフィルトレーションのメンブレンは,腎臓のネフロンが行なっているように,大きな分子は阻止するが,食塩や尿素のような小さな分子は濾別(透過)させてしまう,という作用を持った膜である.逆浸透法のメンブレンは,食塩すらも90%以上阻止して,水だけを透過させるという作用を持った膜である.そして両方ともに圧力によってその作用が行なわれる,いわば生体膜の,ごく簡単な機能を備えた人工膜である.
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