最近の検査技術
血球酵素
三輪 史朗
1
1山口大・第3内科
pp.33-36
発行日 1973年8月1日
Published Date 1973/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200216
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赤血球や白血球あるいは血小板は生きた細胞であり,その中には多くの種類の代謝に必要な酵素が含まれている.いろいろの病態でこれらの酵素のうちのあるものが増加したり減少したりする.また先天性の疾患で生まれつき酵素を欠乏するものもある.したがって血球酵素の測定はある種の病気の診断上必要であるし,また酵素活性値の変動をみることが病気の経過や予後を判定するうえにたいへん参考になることがある.血小板の酵素についてはまだ診断上広く用いられるほどにはなっていないので,ここでは初めに赤血球酵素,次いで白血球の酵素について,診断上必要な酵素の測定法やその意義について述べてみることにする.
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