病人と病気と病院
透析室
沢西 謙次
1,2
1京大泌尿器科
2京大人工腎臓室
pp.12-15
発行日 1973年8月1日
Published Date 1973/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200210
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最近,わが国においても人工腎臓装置を設置する病院が増加してきた.昭和46年9月の厚生省の調査によると,282所有施設に1,055台の人工腎臓装置が設置されており,1施設あたりの保有台数は3.7台となっていた.その内別をみると1台保有病院83(29.4%),2台58(20.6%),3台20(7.1%),4台48(17%)と小規模なものが209施設(74.1%)であって,10台以上有する施設は18(6.4%)となっており,腎センターと呼ばれる規模のものは少ないことを示していた.しかし腎不全患者の身体障害者としての厚生医療の適用による医療費の軽誠が行なわれ,国保患者でも長期血液透析療法が受けられるようになり,患者数の急増,および人工腎臓による血液透析療法の知識が広まり理解が深まったことと相まって,多くの透析ベッドをもった腎センターも設置されるようになってきた.昭和47年6月の人工透析研究会調査では8ベッド以上同時血液透析可能という透析室を有する施設は53(国立5,公立14,私立30,その他4)と急増しており,この傾向は今後さらに著しくなっていくことが予想され,事実各地に大型の透析室が開設されつつある.
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