増刊号 超音波×病理 対比アトラス
3章 甲状腺・副甲状腺
14 バセドウ病―20歳代女性
廣川 満良
1
,
鈴木 彩菜
2
,
武内 麻衣
2
1隈病院病理診断科
2隈病院臨床検査科
pp.1016-1018
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104434
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症例の概要
20歳代,女性.10年前にバセドウ病と診断され,抗甲状腺薬(チアマゾール)による治療を受けていた.超音波検査では,甲状腺はびまん性に腫大し,峡部厚は18mmで,推定重量は100.6cm3であった.内部の性状はやや粗雑で,エコーレベルはやや低かった.ドプラ法では甲状腺実質の血流シグナルが豊富に認められた.甲状腺血流定量測定では17.2%であった.生化学検査では,遊離サイロキシン(FT4):4.48(0.7~1.6)ng/dL,遊離トリヨードサイロニン(FT3):≧30.00(1.7~3.7)pg/mL,甲状腺刺激ホルモン(TSH):<0.003(0.3~5.0)μIU/mL,抗甲状腺刺激ホルモン受容体抗体(TRAb):32.5(0.0~1.9)IU/L,抗サイログロブリン抗体(TgAb):≦28.0(0~39.9)IU/mL,抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb):≧600.0(0~27.9)IU/mLであった.今回,甲状腺腫が大きいため,甲状腺全摘術が行われた.
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