書評
―エコーでコラボ―主治医と検査者の相互理解を深める心エコー奥義
戸出 浩之
1
1群馬県立心臓血管センター技術部
pp.815
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104370
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心エコーを臨床で最大限に活かす
循環器疾患の診断と病態把握における心エコー検査の重要性は広く認識され,各施設での心エコー実施数は飛躍的に増加してきている。心エコー検査は,ベッドサイドにおいて主治医自身が聴診器代りに探触子を持ち,必要最小限の情報だけを得るという一つの側面がある。一方,超音波装置の高性能化と検査技術の進歩と相まって,より詳細で高精度な情報まで得られるようになり,多くの施設の大多数の検査がエコー室においてエコー専門医や技師の手により実施されるようになってきている。そのような状況では,心エコーを依頼する主治医と,それを受けて検査を実施する検査者の間で十分な意思疎通が必要で,それがなければ患者にとって万全な心エコー検査が実施できない可能性もある。そして,昨今の電子カルテ化やオーダリングの普及は,主治医の顔が見えない検査依頼と,検査者の声が聞こえない検査レポートという弊害を生んでいる背景がある。
そのような中,「エコーでコラボ」と題した本書が登場した。本書は,心エコー検査において患者の主治医と検査者の相互理解を深め,両者のコラボにより心エコーを臨床に最大限に活かすことを主眼に置いた今までにない心エコーの実践書である。
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