ワンポイントアドバイス
尿の細胞診標本作製上のワンポイント
青木 裕志
1
,
浅見 志帆
1
,
飯野 瑞貴
1
,
松本 俊治
1
1順天堂大学医学部附属練馬病院病理診断科
pp.280-281
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103894
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はじめに
尿細胞診は検体採取が容易であり,尿路上皮系腫瘍に対するスクリーニング検査として有用な検査法である.また,腎盂や尿管から尿を採取することにより,病変の局在がある程度特定できるなど,尿路上皮系腫瘍に対する診断的意義は大きい.一方で,尿検体は,標本上に十分量の細胞が得られ難いため,尿検体の細胞診断においては標本作製が重要な位置を占めている(表).尿中には上皮細胞のほかに,粘液や結晶などさまざまな成分が含まれており,これらの成分は標本作製過程で溶出しやすく,細胞剥離の要因となっている.したがって,良好な標本作製には,上皮細胞のみを効率よく採取し,塗抹することが重要である.
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