技術講座 微生物
百日咳の診断法
宮下 修行
1
1川崎医科大学総合内科学1
pp.179-182
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103862
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新しい知見
わが国ではこれまで,百日咳の血清診断法として凝集素法(流行株の山口株,ワクチン株の東浜株)が頻用されてきた.しかし,健常成人の血清を対象とした世界標準法〔百日咳毒素(pertussis toxin,PT)抗体〕と山口凝集素価の相関係数は低く,抗PT抗体と東浜凝集素価は相関しないことが判明した.すなわち,凝集素価は国際的に推奨されていない.このため改訂ガイドラインでは抗PT抗体の測定を推奨し,その診断基準を示している.今後はIgMとIgA抗体を検出する検査法が測定可能となる予定で,百日咳の早期診断が期待される.
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