ワンポイントアドバイス
国立がん研究センター中央病院における洗浄血小板の適応および調整方法
熊澤 寛子
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1国立がん研究センター中央病院病理・臨床検査科
pp.1282-1283
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103738
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はじめに
血小板製剤(platelet concentrates,PC)の輸血は他の血液製剤と比べて非溶血性輸血副作用の出現頻度が高い.非溶血性輸血副作用には蕁麻疹,発熱,呼吸困難,血圧低下,アナフィラキシーショックなどがある.これらの副作用はPCに含まれる血漿蛋白成分や炎症性サイトカインに起因すると考えられ,PCの洗浄・置換によって血漿成分の大部分を除去することで副作用の発生を減少させることができる1,2).PCの洗浄方法には洗浄置換液を加えた血小板を遠心して血漿を除去した後,再度洗浄置換液を加えて血小板を再浮遊させる洗浄置換法(WR-method)と,洗浄置換液を添加せずに血小板をそのままの状態で遠心し,血漿を除去後に洗浄置換液を加える置換法(R-method)の2法がある3).
平成24年度診療報酬改定で血液・造血器疾患において血小板洗浄術加算580点が新設されたこともあり,医療機関での血小板洗浄への関心が高まっている.そこで医療機関での洗浄方法の一例として当院の調整方法を紹介する.
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