コーヒーブレイク
ブランチラボから自主運営回帰―第4回 奮闘編
木村 浩則
1
1市立柏病院検査科
pp.102
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103062
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自動分析機の導入が決まった.業務効率化の第一関門を突破したが,まだまだ情報系のインフラの整備が遅れている.もっと高機能な検査システムがほしい.偶然にも放射線画像の院内配信の話が持ち上がる.これに乗じて検体検査のシステム化の話を事務長に持ちかけてみる.「以前から事務長は院内検査と外注検査が一元化されていないとおっしゃっていましたよね.これを一元化し検査進行状況まで外来診察室で確認できるシステムの導入をお願いできませんか?」診察前迅速検査管理加算とインフォームド・コンセントの患者サービスを盾に説得してみる.「やりたいことはわかった.でも導入費用が高すぎないかね」と切り返された.確かに高い,高いはずだ.検査データ検証機能やリアルタイム報告書の自動出力機能まで盛り込んだシステムである.しかし完成すれば,1~2年の新人技師でも10数年以上のベテラン技師でも同じデータが出せる.価格を抑えるしかない.メーカーとの価格交渉の開始である.何度検討しても価格が下がらない,しかし機能は削れない,ジレンマである.数か月が経過し半分あきらめかけた頃,突然事務長より呼び出しがかかる.
「本当にこのシステムは大丈夫なのかね」
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