増刊号 免疫反応と臨床検査2010
II 自己免疫
4 自己免疫性肝疾患の検査
吉川 真太郎
1
,
野村 文夫
1
1千葉大学医学部臨床検査医学
pp.825-827
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102901
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
自己免疫性肝疾患の検査とは
自己免疫性肝疾患とは,なんらかの機序により産生された自己抗体により肝細胞もしくは胆管が障害されると考えられる疾患群であり,自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis,AIH),原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis,PBC)が大半を占めている.両疾患とも自己免疫機序,つまり本来自分の身を守るための免疫が肝臓,胆管の細胞を攻撃し,結果として肝臓の炎症を引き起こしていると考えられている.
AIHは若年女性に好発し,出現する自己抗体により病型が分類され,抗核抗体(anti-nuclear antibody,ANA)および抗平滑筋抗体(anti-smooth muscle antibody,ASMA)が単独もしくは両方出現するI型,抗肝腎ミクロゾーム-1抗体(anti liver-kidney microsome-1 antibody,抗LKM-1抗体)のみが陽性であるII型,抗soluble liver antigen抗体陽性であるIII型に分けられる.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.