増刊号 免疫反応と臨床検査2010
I 総論―免疫反応の基礎
D 非特異反応―イムノアッセイのピットフォール
2 非特異反応の実例
長田 誠
1
1山梨大学医学部附属病院検査部
pp.783-790
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102893
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はじめに
現在,数多くのイムノアッセイ法(immunoassay,免疫測定法)が存在する.平成21年度第43回臨床検査精度管理調査報告書(日本医師会)1)によると,免疫測定装置で用いる測定法は,放射免疫測定法(radioimmunoassay,RIA)が少なくなり,酵素免疫測定法(enzyme immunoassay,EIA)44.9%,化学発光免疫測定法(chemiluminescence immunoassay,CLIA)30.8%,電気化学発光免疫測定法(electrochemiluminescence immunoassay,ECLIA)9.0%,ラテックス免疫測定法(latex immunoassay,LIA)および免疫比濁法(turbidimetric immunoassay,TIA)が8.6%と報告されている.これらの免疫測定装置は,高感度な測定系の開発やモノクローナル抗体の使用などにより感度,特異度が向上している.しかし,これらの改良は非特異反応の危険性を増加させることとなり,これを回避するため試薬メーカーはいろいろな工夫を行っている.
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