トピックス
ホルマリン希釈混合装置を用いた衛生工学的対策
梅澤 敬
1
,
土屋 幸子
1
,
芦川 智美
1
,
福村 絢奈
1
,
佐藤 俊
1
,
池上 雅博
1
1東京慈恵会医科大学附属病院 病院病理部
pp.578-580
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102845
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はじめに
病理検査室における固定槽での作業は,高濃度のホルムアルデヒドを拡散させ,切り出し開始前から劣悪な作業環境となる.特に固定槽からの臓器持ち出し作業は日常業務であり,これらの改善なくしてホルムアルデヒドの根本的な対策は困難である.
筆者らは,固定槽におけるホルムアルデヒドに最も曝露する作業をアセスメントした結果,以下が明らかとなった.①固定槽からの臓器持ち出し,②固定槽のホルマリン入れ替え,③ホルマリン希釈混合,である.高濃度のホルムアルデヒドの曝露を回避するため,作業環境管理として工学的対策(ホルマリン希釈混合装置,囲い式局所排気装置付きの臓器固定槽)を,作業管理としてホルムアルデヒドに曝露しないための作業手順の改良と標準化を行った.
本稿では,ホルマリン希釈混合装置による環境改善を中心に,作業環境管理と作業管理のコラボレーション,病理検査室の労働安全衛生の取り組みについて報告する.
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