技術講座 病理
―シリーズ:穿刺細胞診の手技と読み方―4.悪性軟部腫瘍の細胞診
加藤 拓
1
1船橋市立医療センター検査科
pp.11-16
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102713
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新しい知見
軟部腫瘍における新たな分類として新WHO分類が2002年に提唱された.この組織分類の基準は組織起源に基づくのではなく,細胞の分化を追及するものとなっている.これによると最も注目されるポイントとして悪性線維性組織球腫(malignant fibrous histiocytoma,MFH)の分類が挙げられる.悪性軟部腫瘍で最も発生頻度が高いとされるMFHで粘液型の一部は粘液線維肉腫へ,類血管腫型は分化不明腫瘍に分類された.また,MFHの同義語として未分化多形性肉腫が挙げられた.将来的に除外診断によって残されたものが未分化多形性肉腫と命名され,最終的に成人軟部腫瘍の5%程度になると予想されている.いずれMFHの名称はなくなることとなる.
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