COLUMN―形態検査において知っておきたいこと
日当直体制における尿沈渣と髄液検査
杉野 陽子
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1日本大学医学部付属板橋病院臨床検査部
pp.1033
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102638
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尿沈渣や髄液検査は,日常的に業務に接していない臨床検査技師にとっては苦痛な検査の一つである.現在,当院でも夜間・休日検査項目として採用しているが,これらの検査に経験が少なくとも正確な成績が報告できるように工夫し実施している.
小児科医からの強い要望によって採用された尿沈渣は,「尿路感染症の確認でよい」ということで白血球と細菌の有無のみを検索している.塩類や赤血球は50%酢酸を加え消去することで判別を容易にし,髄液検査でも白血球と赤血球の鑑別に50%酢酸を加えたうえで算定することで経験の少ない臨床検査技師でも正しい成績が報告が可能となっている.まさに,“魔法の酢酸”である.もちろん,全例に適用する訳ではなく,判別に困った場合の対応策である.
技術の習得を個人の努力に委ねるだけでは迅速に対応することができない.既存の検査法に少し手を加えるだけで,正確な成績が容易に報告できる.当院では,このような工夫をし尿沈渣と髄液検査を日当直業務に取り入れている.詳細な実施方法については文献1)を参照されたい.
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