技術講座 血液
トロンボエラストグラム
竹田 知広
1,2
,
櫻井 嘉彦
1
1奈良県立医科大学小児科
2宇陀市立病院臨床検査科
pp.799-804
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102523
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新しい知見
外傷患者における線溶亢進の診断にROTEM(R)が有用であるという報告がLevratら1)によってなされた.外傷患者23名にROTEM(R)解析(組織因子を用いるEXTEMモード)とユーグロブリン溶解時間を行い,ROC(receiver operating characteristic)解析によりROTEM(R)パラメーター(最大凝固塊堅性および凝固塊溶解指標)における線溶亢進基準値を決定した.この基準値を用いて,外傷患者87名を検討したところ5名に線溶亢進を認めた.ROTEM(R)で線溶亢進を呈する患者は外傷重傷度スコア,死亡率ともに有意に高く(p<0.05),ROTEM(R)が重症外傷患者の線溶亢進を早期に正確に検出しうる.
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