技術講座 生化学
―ホルモンの測定シリーズ・5 甲状腺・副甲状腺系:3―甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体
村上 正巳
1
1群馬大学大学院医学系研究科臨床検査医学
pp.709-713
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102499
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新しい知見
甲状腺刺激ホルモン(thyroid-stimulating hormone,TSH)レセプター抗体(TSH receptor antibody,TRAb)の測定法は,可溶化TSHレセプターに対する標識TSHと血清中の自己抗体の競合反応を測定原理とする1ステップの液相法(第一世代)にはじまり,固相化したTSHレセプターに対する標識TSHと,血清中の自己抗体の競合反応による2ステップの固相法(第二世代)では干渉物質の影響が回避されて測定感度が向上した.近年,抗TSHレセプターヒトモノクローナル抗体(M22)が作製され,標識TSHの代わりにM22を用いた第三世代のTRAb測定法が開発され,測定感度がさらに向上した.第二世代までのTRAb測定法では,必要な感度を得るためには数時間の測定時間を必要とし測定の自動化は困難であったが,第三世代のTRAb測定法では,測定時間が短縮されて自動化が可能となった.
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