Laboratory Practice 〈微生物〉
救命救急におけるプロカルシトニン測定
柴田 泰史
1
,
久志本 成樹
2
1日本医科大学付属病院中央検査部
2日本医科大学救急医学
pp.363-366
発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102419
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はじめに
敗血症は体温,脈拍数,呼吸数,末梢血白血球数で定義される全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome,SIRS)に感染を有する状態を指し,重症化すると多臓器不全,ショックなどからその死亡率は30%を超え,治療成績は決して良好とは言えない.敗血症は集中治療を要する症例における最大の死亡原因であり,迅速な診断は救命率の改善のポイントとなる.
近年,全身の炎症を伴う細菌感染症の患者では血中のプロカルシトニン(procalcitonin,PCT)濃度が上昇することが広く知られるようになり,細菌性感染症の鑑別診断および,重症度判定の新しいマーカーとしてPCTが注目されている1).本稿では,PCTの生物学的意義,測定方法,さらに救命救急領域での臨床的有用性について述べる.
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