トピックス
敗血症におけるプロカルシトニン測定
久志本 成樹
1
1日本医科大学救急医学
pp.687-690
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100073
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに
敗血症(sepsis)は集中治療を要する重症病態における最大の死亡原因である.この15年,敗血症の病態に重要な炎症性メディエーターに対する多くの拮抗,除去療法が試みられたが,活性化プロテインC1)や,最近報告されたTNF(tumor necrosis factor,腫瘍壊死因子)-αモノクローナル抗体2)で予後の改善が期待されるにとどまっている.
敗血症の診断は,感染の証明と,体温,白血球数,心拍数と呼吸数で定義される全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome,SIRS)によってなされる3).しかし,敗血症によって生じる全身性炎症反応とそのパラメーターの変化は,その原因が感染であることを示すものではない.プロカルシトニン(procalcitonin,以下,PCT)は敗血症の原因が細菌感染症によることを示すマーカーであるとともに,その重症度を反映することから注目を集めている.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.