増刊号 これから広がる生理検査・新たにはじまる生理検査
A 心エコー法
2. 組織ドプラ法の臨床
瀬尾 由広
1
1筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学循環器病態学分野
pp.895-903
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102196
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はじめに
心エコードプラ法は心臓構造の評価,壁運動,心腔内血流異常,そして血行動態評価について循環器疾患の臨床では欠かせない手法である.これら従来の方法に加えて組織ドプラ法は,局所収縮機能評価,心筋虚血の検出,血行動態指標と組み合わせた拡張機能評価や心不全の予後の推定,そして時相分析による左室同期不全の評価と心室再同期療法(cardiac resynchronization therapy,CRT)への応用など,心エコー法をさらに懐の深い臨床診断ツールとして発展させた.
本稿では,主に拡張機能評価法や最近注目されている左室同期不全評価法についてレビューし,その有用性と留意すべき点について概説する.
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