今月の主題 心エコー法の現況
超音波の新しい応用
ドプラ法
榊原 博
1,2
,
宮武 邦夫
3
Hiroshi SAKAKIBARA
1,2
,
Kunio MIYATAKE
3
1国立循環器病センター・生理機能検査部
2国立循環器病センター・内科心臓部門
3国立循環器病センター
pp.1402-1405
発行日 1981年8月10日
Published Date 1981/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217291
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
超音波を運動物体に入射すると,ドプラ効果により反射体の運動速度に応じて反射波の周波数が偏位する.したがって,この周波数偏位(Doppler shift)を測定することにより反射体の運動速度を知ることができる注1).
この超音波ドプラ法の原理は里村(1956年)により微小運動を検出する目的で考案された.これは,仁村らにより心臓弁動態の解析に用いられ,初めて医学への応用が行われた.また,里村は血流によってもドプラ効果が生じることを見出し,これにより血流計測を行いうる可能性を示した.後に,血流によるドプラ効果は流動する血球からの散乱によることが,加藤らにより明らかにされた.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.