増刊号 これから広がる生理検査・新たにはじまる生理検査
A 心エコー法
1. 組織ドプラ法の原理
山崎 延夫
1
1GE横河メディカルシステム株式会社
pp.886-894
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102195
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はじめに
カラードプラ法がこの世に生まれて,間もなく25年が過ぎようとしている.この間にこの手法は,心腔内の異常血流を検出・評価するのに不可欠なものとして心エコー検査で確固たる地位を築き上げてきた.
カラードプラ法においては,心臓の壁や弁の動きに由来するドプラ信号は,血流観測の妨げとなる“クラッタ”と忌み嫌われる存在であり,このクラッタをいかに効率よく除去できるかがカラードプラ装置の性能を測る指標にもなっている.この心臓の壁や弁の動きに由来するドプラ信号を積極的に抽出して映像化し,さらには定量化に利用したのが組織ドプラ法であり,いわば“逆転の発想”の産物である.本稿では,この組織ドプラ法のこれまでの発展の過程を,この手法を世に送り出した筆者が時間経過に沿って概説したい.
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