技術講座 微生物
肺炎マイコプラズマの分離培養法
田澤 節子
1
,
丸茂 健治
2
1昭和大学藤が丘病院中央臨床検査部
2昭和大学藤が丘病院臨床病理科
pp.605-608
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102116
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新しい知見
肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)の培養はPPLO(pleuropneumonia-like organisms)培地を使用するが,培養に時間がかかり,判定が煩雑なことから,M. pneumoniae感染症診断では血清学的検査法〔粒子凝集反応(particle agglutination,PA)法や迅速酵素免疫測定法など〕が主流である.最近では,特異プライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction,PCR)法によるマイコプラズマ肺炎の迅速診断も可能になった.一方,2000年を境にしてマイコプラズマ肺炎治療に有効なマクロライド耐性株が分離されるようになり,新たな問題が発生した1).このような薬剤耐性M. pneumoniaeの検出検査には,薬剤感受性試験や耐性遺伝子検出試験が必要である.このため患者検体からのM. pneumoniae分離培養は,以前にも増して欠かせなくなった.
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