トピックス
血尿診断ガイドライン
油野 友二
1
,
伊藤 機一
2
1金沢赤十字病院検査部
2大東文化大学スポーツ・健康科学部
pp.454-457
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102083
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■ガイドラインの目的と誕生までの足跡
血尿に関するガイドラインの重要な目的は,健康診断などで見いだされる尿潜血反応陽性者の診療指針の作成にある.血尿診断ガイドライン検討委員会(表1)は,2002年に第1回委員会が開催され,当初は日本泌尿器科学会,日本腎臓学会,日本小児腎臓学会の3学会による検討が行われた.第2回委員会より日本臨床検査医学会から伊藤機一先生が参画され,同席上で尿検査の現状を周知している臨床検査技師の参画が望ましいとの提案と委員へ『尿沈渣検査法2000』1)の配布がなされた.その結果,これまでにあまり例をみない,臨床での診断ガイドライン作成に臨床検査技師の正委員として参画が実現した.その後,4年間で8回の委員会が開催され,その過程で日本臨床検査標準協議会(Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards,JCCLS)による尿試験紙標準化2)による尿潜血反応(1+)の国内統一の内容,尿沈渣検査による尿中赤血球数算定の課題などが検査の立場から報告された.これらのことにより,血尿診断において最も重要なその定義と基準について,臨床検査の現状に合致したガイドラインの誕生に寄与できたと考える.
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