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微生物(細菌)検査の廃棄物処理
佐野 和三
1
,
土屋 達行
1,2
1駿河台日本大学病院臨床検査部
2日本大学医学部臨床検査医学講座
pp.1396-1397
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101654
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はじめに
人間の生活・生産活動に伴う廃棄物についてはゼロ・エミッション*1)が理想である.しかし,現実には医療機関において診療活動の結果排出される医療廃棄物(medical waste)は,多種・大量である.
医療廃棄物は感染性廃棄物と非感染性廃棄物とに大別される.感染性廃棄物(infectious waste)とは患者の治療や検査に使用した注射針や,血液・分泌物の付着した脱脂綿やガーゼなど,廃棄物自体が感染源となる可能性を有するものである.非感染性廃棄物はさまざまな医療器材(チューブ・バッグ類),検査に使用された試薬類,血液や分泌物の付着しないディスポーザブル製品などで,それ自体は感染源とならないものを指す.
グリーンケミストリー1)の12か条の第一条では「廃棄物は“出してから処理”ではなく,出さない.」と述べられている.そこで本稿では「微生物(細菌)検査の廃棄物処理」について記載する.すなわち,感染性廃棄物を減少させるためにわれわれが実践している検査手技上の創意・工夫・考えかたなどを紹介する.
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