増刊号 包括医療と臨床検査
第2章 各論―疾患の診断治療のために最小限必要な検査
27.尿路感染症―STD性尿道炎を含む
上原 慎也
1
,
公文 裕巳
1
1岡山大学大学院医歯学総合研究科泌尿器病態学
pp.1109-1114
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101581
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はじめに
高度高齢化社会を迎え保険医療体制の限界を越えつつある現在,医療の分野においてもコスト意識は重要であり,検査や治療手段における経済効率が問題となっている.
疾患群別定額払い制度(Diagnosis Related Group/Prospective Payment System;DRG/PPS)は,こうした社会情勢のなかで生まれた,医療費の削減を主目的とした医療費支払い制度であり,いわゆる「マルメ」の支払い方法である.この制度では,実際に必要とした額にかかわらず一定の診断名や病態に対し一定の報酬が支払われる.そのため実際のコストが低いほど利益は大きくなり,医療内容は圧縮傾向となる.
出来高払い制度下では自由に行われてきた各種検査は,DRG/PPS導入により制限される方向になるであろう.本稿では,欧米の診断治療ガイドラインを踏まえながら,DRG/PPS導入を考慮した尿路感染症およびSTD(sexually transmitted disease,性行為感染症)性尿道炎の診断治療に必要な検査について考察した.
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