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抗菌薬使用の新ガイドライン―「抗菌薬使用の手引き」について
二木 芳人
1
1川崎医科大学呼吸器内科学講座
pp.291-293
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101367
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はじめに
抗菌薬は感染症治療の主役を演ずる治療薬であり,現在では抗細菌性抗菌薬として実に150種類以上の誘導体がわが国で臨床応用されている.これらを適正に選択し,正しく使用すれば,多くの感染症が比較的容易に治療できるはずだが,現実には感染症の治療に苦慮することも少なくない.その理由としては,1つには各種の新しい耐性菌が増えていること,次に,それにもかかわらずそれに対応する新薬の開発が遅れていること,そして今1つは臨床医による抗菌薬の選択や使用が必ずしも適正ではない場合が多いことなどが挙げられる.最近では医療の標準化やevidence-based medicine(EBM)などが強く医療現場で求められるようにもなっており,感染症の分野においても同様の要求に応え,かつ適正な抗菌薬療法を示すためにも,各種の抗菌薬使用のためのガイドラインや手引きが新しく公表されている.本稿では,その中から日本感染症学会と日本化学療法学会が作成した抗菌薬使用の手引き(図,以下手引き)について,その概要を解説する.
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