私の必要な検査/要らない検査
肝機能検査
加藤 眞三
1
1慶應義塾大学医学部消化器内科
pp.62-64
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101309
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はじめに
検査項目で必要,不必要と考えるものを挙げることが本連載のテーマであるが,個々の症例においてある検査はこの時点で不要とか必要ということは可能であっても,一般論としてこの検査が必要とか不要とかいうことは難しい.ここでは一般に肝機能検査として行われている臨床検査の中で,どのような条件下でその検査を必要あるいは不必要と考えるかについて述べたい.
肝機能検査では,既に生化学的測定項目は健康保険上ある項目以上は点数として加算されなくなる,いわゆるまるめ規制が行われており,さらに2003年からは大学病院をはじめとする特定機能病院の入院患者は疾患別に入院費用全体の包括化が実施されようとしている.そのため臨床の現場では,いかに検査項目をしぼりこむか,そしてどのように効率のよい検査を組み合わせるかが一大問題となっている.肝疾患の患者の外来では生化学的な血液検査が主体であり,10項目以内に抑えることは至難の業である.むしろ見落としなど危険性が危惧される状況にあり,不要と考える検査は近い将来に淘汰されていくであろう.
以下,私が必要・不必要と考えている検査を逸脱酵素,胆道系酵素など項目別に述べたい.
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