検査じょうほう室 〈診療支援〉
精度管理調査から解析できた直接ビリルビン値の挙動
竹下 久子
1
1九州臨床検査精度管理研究会
pp.53-55
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101224
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はじめに
九州臨床検査精度管理研究会解析委員として2003年からビリルビン測定用試料(総ビリルビン,直接ビリルビン)を作製し解析を行っている.直接ビリルビン測定においては,測定原理別にδ-BIL(アルブミン結合ビリルビン)に対する反応性の差が存在しているため測定法間のバラツキの一因ともなっている.本精度管理調査においても全施設の直接ビリルビンの変動係数は5~12%であり,なかなか収束は難しい状態である1).また,特にδ-BILの増加する急性肝炎回復期,慢性肝炎,閉塞性黄疸減黄期のような病態では肝病変を正確に反映しないため,臨床的にも問題が指摘されている2).また,近年抱合型BILのみを測定する試薬(δ-BILを測り込まない酵素法)が使用されるようになり施設間差もより大きくなっているものと思われる.そこでδ-BIL含有量の多い試料を作製し,まず初めに現状把握を試みたのでその結果を述べてみたい.
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