増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査
各論
1.血液検査
ノート 血小板機能亢進を評価するための検査
佐藤 金夫
1
1山梨大学医学部臨床検査医学講座
pp.1091-1095
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101057
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はじめに
脳梗塞,心筋梗塞,狭心症などの動脈硬化を基盤とした血栓性疾患は日本人における死亡原因の上位を占め,その予防や早期発見は重要な課題となっている.これらの疾患では血小板機能亢進が認められることから,機能亢進状態の評価を通じて診断や治療に寄与できると考えられる.
血小板機能亢進状態では,血小板凝集能の反応性が亢進したり生体内での顆粒内容物の放出に伴う種々の変化が現れたりするので,それらを指標にして血小板の機能亢進状態を評価することができる.検査法として,in vitroで血小板活性化物質に対する反応性の亢進を評価する方法と,ex vivoで血小板活性化に伴って変化する成分を評価する方法とがあり,前者には血小板凝集能検査,後者には活性化GP(glycoprotein,糖蛋白)IIb/IIIaやCD(cluster of differentiation)62Pなどの血小板表面マーカー,血小板由来マイクロパーティクル,流血中血小板凝集塊などに関する評価法がある.本稿では最初に血小板活性化機構について概説し,続いて検査法について解説する.
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