今月の主題 生体色素
技術解説
着色尿の鑑別法
今井 宣子
1
Nobuko IMAI
1
1大阪大学医学部附属病院中央臨床検査部
pp.239-247
発行日 1987年3月15日
Published Date 1987/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913269
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尿外観の観察,特に尿色調,濁度の観察により得られる情報は,今なお大きいものがある.血尿,ヘモグロビン尿,ミオグロビン尿,ポルフィリン尿ビリルビン尿,アルカプトン尿メラニン尿,乳糜尿などは尿着色がきっかけとなって気づかれることが多く,その意義は大きい.しかし,尿外観の観察だけでこれらを鑑別することは困難である.また,健常人においても摂取食品や投与薬剤により異常着色尿をみることもある.そこで,短時間のうちにこれらを鑑別する必要がある.本稿では,これら異常着色尿の鑑別を目的とした簡易な検査法について解説した.今日,いかに検査技術が進歩しても,尿検査の基本はまず尿を観察することにある.尿外観観察の重要性をいま一度確認し,見直すことをここで強調したい.
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