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肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドラインが検査室に求めるもの
飯島 憲司
1
1鳥取大学医学部保健学科病態検査学
pp.746
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100970
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近年長距離航空機旅行に際して生じる,いわゆる「エコノミークラス症候群;旅行者血栓症」や2004年10月の新潟中越地震の際,車中泊した人が肺塞栓症を発症した事例の報道などにより,肺塞栓症に起因する突然死は医学関係者のみならず,一般社会でも関心を持たれている.これは長時間下腿を動かさずにいると血流がうっ滞して下腿の深部静脈に血栓を生じ,その血栓が剝離して肺動脈を閉塞することによる.肺塞栓症は時に致死性となり非常に危険である.同様のことが手術後に起こることがある.一度できてしまった血栓を治療するのは困難であり,むしろ積極的に予防を行ったほうが効果的である.そのため厚生労働省は肺血栓塞栓症予防管理料として305点の診療報酬を設定し,また関係学会が予防ガイドラインを作成した.
1 . 要求される検査項目および検査体制
このガイドラインのなかで,検査に関連したことは次の3点である.
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