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肺動脈血栓塞栓症と突然死
一杉 正仁
1
1獨協医科大学法医学教室
pp.1415-1417
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100882
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■突然死とは
突然死とは,一般に疾患の発症から24時間以内の予期せぬ死亡と定義される.予期しない死亡とは,既往症があり,なんらかの治療を継続している人が死亡する場合と,健康であると確信している人が死亡する場合を含む.病院到着時に心肺停止状態であった突然死388例を検討した東京都監察医務院の報告によると,その死因として心・血管系疾患が72.6%を占め,肺動脈血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism,以下,PTEと略)は0.6%であった1).
突然死例に対する死因の究明には,剖検による正確な診断が不可欠である.しかし,わが国では,制度的な問題から,突然死例に対する剖検が行われているのは一部の地域にすぎない.すなわち,実際はPTEによる突然死であっても,非剖検例では心疾患による突然死と診断されている例が少なからず存在している.
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