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超音波造影法による肝腫瘍鑑別診断
井岡 達也
1,2
,
田中 幸子
1,2
,
高倉 玲奈
1,2
,
宮崎 さや子
2
,
三栖 弘三
2
1大阪府立成人病センター検診部消化器検診科
2大阪府立成人病センター超音波検査室
pp.388-389
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100623
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■鑑別診断に必要な情報
良性悪性を含めて肝腫瘍の鑑別診断の根拠として,通常の超音波検査でも鑑別可能なサイズ・形状・数などの情報や,カラードプラ(color Doppler)法を用いた血流情報が挙げられます.一方で長い間,鑑別診断のゴールドスタンダードは造影CT検査や腹部血管造影検査などの造影剤を用いた検査でした.その理由として,鑑別診断のためには造影剤を生体に注入してから経時的に観察し,肝腫瘍やその周囲肝組織に造影剤が造影されるイメージからパターン認識することが必要だからだと考えられます.いわゆる,時相を考慮した血流情報が必要と考えられています.通常のカラードプラ法では,断面的な血流情報しか得られず,検査方法として劣っていました.
1999年9月から経静脈性超音波造影剤レボビスト(シェーリング)が認可され,肝腫瘍の鑑別診断に応用されるようになりました.しかし,カラードプラ法に本剤を応用しましたが,実質の染影効果は十分に得られず,空間分解能も劣っていました.
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