Laboratory Practice 病理 細胞像からここまでわかる
尿(4) 前立腺癌
堀内 啓
1
,
伊藤 光洋
1
,
松谷 章司
1
1NTT東日本関東病院病理診断部
pp.42-44
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100549
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前立腺癌は,高齢者に好発する代表的な男性ホルモン依存性腫瘍である.原因はほとんどわかっていない.発生頻度は人種や地域による差が大きく,欧米では高くアジアでは低いのが特徴であったが,近年,日本では人口の高齢化や生活習慣の欧米化により,発生頻度は増加している.症状はないことが多いが,排尿障害や残尿感,頻尿,血尿などで気づかれることもある.高頻度に骨転移をきたすことも特徴の1つで,これによる腰痛で発見される場合もある.
前立腺癌の診断は,PSA(prostate specific antigen,前立腺特異抗原)などの腫瘍マーカー,画像診断,細胞診・組織診などが主要な方法である.最近では,血清PSA値測定によるスクリーニングが行われるようになり,PSA高値を契機として発見される前立腺癌の症例が増加している.
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