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はじめに
2003年2月,臨床検査室にとっては初めての国際規格であるISO15189:2003(Medical laboratories-Particular requirements for quality and competence:臨床検査室―質と適合能力に対する特定要求事項)が,続けて同年10月にはISO15189:2003の引用規格としてISO15190:2003(Medical laboratories-Requirements for safety:臨床検査室―安全に対する要求事項)が発行された.
こうした動きのなかで,世界的に臨床検査室の認定プログラムが既に導入または導入のための準備が進んでいる.わが国では,日本臨床検査標準協議会(Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards,JCCLS)が財団法人日本適合性認定協会(Japan Accreditation Board for Conformity Assessment,JAB)と共同で,「臨床検査室認定プログラム」を導入することを決め,現在具体的な作業が進んでいる.
従来臨床検査室は,検査結果の信頼性の向上,患者さんへのサービスの貢献に努めてきた.昨今の社会情勢の変化に応じて,今まで以上に臨床検査室の質の向上,リスク管理を含めた管理体制の強化,経営の効率化といった対応が強く求められるようになっている.
このなかで安全管理は臨床検査室の質や能力を示す一面であり,リスク管理の観点では臨床検査室運営に欠かすことのできない重要な事柄である.表1にISO15190:2003の全体構成を一覧に示した.
本稿では臨床検査室の安全管理について,特にISO15190:2003の具体的な要求事項について4回に分けて解説するとともに,国内の法令や規則などとも対比させて解説する.
今回は,臨床検査室に関係する安全管理規制について,そして安全に関するリスク分類とリスク評価に基づく安全管理の具現化のステップについて以下に解説する.
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