疾患と検査値の推移
アジソン病
合田 公志
1
,
高松 順太
2
1阪和病院内科
2高松内科クリニック
pp.249-254
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100367
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疾患概念
アジソン病(Addison's disease)は,約150年前の1855年にイギリス人医師Thomas Addison(図1)により報告された.彼はもともと皮膚とその病変に興味を持っていたが,ある日,強度の貧血および皮膚色素沈着と白斑とを呈する患者に出あった.検索した結果,当時はsupra-renal capsulesと呼ばれていた副腎の異常ではないかと疑い,発表した.アジソン病とは,コルチゾールとアルドステロンとの両者が欠乏した状態であり,原発性慢性副腎皮質機能不全症を指している1).
頻 度
わが国においては,受診患者数は240名が報告されている.その内訳は男性123名,女性117名である.また実際の患者数はおよそ660名と推定されている.発症平均年齢は男性47.1歳,女性50.1歳と考えられている.男性では小児期と中高年期にピークのある二峰性を示す2).
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