増刊号 一線診療のための臨床検査
第II章 各論―検査編
8 . 輸血検査
2)交差適合試験
高橋 智哉
1
1市立札幌病院検査部
pp.1335-1339
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100308
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
適合血の選択には血液型・不規則抗体検査・交差適合試験などがセットで行われるのが常である.実際の教科書では,「免疫血液学的検査(輸血検査)」と題してABO式血液型,Rho(D)式血液型,不完全抗体の検出,そして交差適合試験となっている.
今回,30分から1時間以内の緊急検査報告として緊急時の交差適合試験について述べることとなったが,緊急時の輸血検査では血液型検査が最も重要であることはいうまでもない.また,この検査時間内でこれらすべてを行うことは,常時輸血検査を担当している臨床検査技師にとっては無理のない検査時間であると思われるが,宿日直時間帯のみで輸血検査を担当している者にとってはこの30分~1時間という検査時間は微妙な長さである.また,最近は輸血検査も自動機器が登場し,誰が行っても客観的に結果が出るようになり,条件が整えば十分にこの時間内に結果を出すことができるようになってきた.しかし,自動機器は,すべての施設で使用することは困難であるので,今回は試験管法による緊急時の交差適合試験と不規則抗体スクリーニングを中心に述べたい.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.