増刊号 一線診療のための臨床検査
第II章 各論―検査編
5. 尿検査
2)尿沈渣
今井 宣子
1
1大阪大学医学部附属病院臨床検査部
pp.1313-1316
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100302
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医療の質とサービスの向上を目指し,近年ますます検査室の24時間化が加速しており,普段は尿沈渣を観察する機会の少ない臨床検査技師が日直や宿直で尿沈渣の検鏡をしなければならない状況が急増している.尿沈渣検査も形態学一般にみられるように,検査結果が臨床検査技師の経験や技量に負うところが多いということもまた周知の事実である.筆者は基本的には臨床検査技師の国家免許を有する者はすべて尿沈渣検鏡ができるようになってほしいと考えている.形態学にゴールはない.形態学に百点満点はない.経験者であっても間違いはある.死ぬまで研鑽の日々だと思っている.したがって全臨床検査技師(以下,技師とする)に上級者レベルの仕事を期待してはいない.しかし,最低限度できなければならないことはある.
ここではそういう観点から常時尿沈渣検査をしてない宿日直担当者あるいは配属したての新人を対象にし,大事な要点だけを抜き出して解説することにする.尿沈渣に関するさらなる詳細については現在多くのアトラスやテキストの類が出版されており入手も可能なのでそれらを参考にしていただきたい.
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