増刊号 一線診療のための臨床検査
第I章 総論―臨床編
2. 代謝疾患の検査
3)高脂血症
小菅 清彦
1
,
齋藤 康
1
1千葉大学医学部細胞治療学
pp.1022-1025
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100219
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はじめに
高脂血症はリポ蛋白質の産生または異化異常を基盤に発症するが,その異常が糖尿病などの基礎疾患や薬剤投与によって現れる二次性高脂血症と,それ以外の原発性高脂血症に区分される.さまざまな表現型の原発性高脂血症の病因が遺伝子あるいは分子レベルで明らかにされてきたが(図),依然原因が不明の高脂血症も多い.基盤にある原因によりさまざまな表現型が生じるが,臨床の場では,血清総コレステロール値(T-CHO)が高い場合,血清トリグリセリド値が高い場合,両者が高い場合に大きく区分される.各々について,さらにその病態と治療を考えるうえでリポ蛋白質を考慮した鑑別診断が必要になる.
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