Laboratory Practice 生理 超音波像の読みかた
虚血疾患
伊藤 浩
1
1桜橋渡辺病院内科
pp.834-839
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100114
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はじめに
現在,心筋虚血のスクリーニングとして最もよく用いられているのが運動負荷心電図である.手軽に施行でき,診断基準も確立しているが,①診断感度があまり高くないこと,②虚血の重症度や範囲に関する情報が乏しいこと,③非特異的ST-T変化による偽陽性が多いこと,など問題点も多い.心肥大,右脚ブロック症例では,胸部誘導のST低下は必ずしも虚血を示唆するわけではない.左脚ブロック症例では脈拍が速くなるだけでも,ST低下が誘発される.それに対し,心エコー法は多面的アプローチから心筋虚血を診断できる方法として,近年注目されている.特に負荷心エコー法は心筋虚血の診断精度が高く,病変冠動脈も診断できることから,欧米ではスクリーニング検査として選択されることが多い.
本稿では,ドブタミン負荷心エコー法,冠動脈血流計測,心筋コントラストエコー法による心筋虚血の診断法の実際に関して述べる.
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