技術解説
腸炎ビブリオの検査・同定法ならびに神奈川現象
宮本 泰
1
,
小原 寧
1
,
滝沢 金次郎
1
1神奈川県衛生研究所
pp.581-589
発行日 1975年6月15日
Published Date 1975/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917690
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わが国の細菌性食中毒の過半数は腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)によって占められている.藤野によって初めて記載された本菌は,滝川,中橋(勇次郎)2)により初めてその好塩性状が発見され,病原性好塩菌(pathogenic halo-philic bacteria)と呼ばれていた菌である.最近周毛が確認されたためBeneckea Parahaemoly-ticaの命名がなされてビブリオ属から分離する提案もなされたが,Bergyの分類書第8版では一応ビブリオ属に編入されることになった(図2).
本食中毒は種々の食品によって起こるが,元来海洋細菌であるため魚介類が原因食品になる場合が多い.しか二次汚染によって,海とは縁のない魚介以外の食品によっても起こり,このことはむしろ本食中毒の特徴の一つとさえ思われる.
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