レポート
当院で行っている時間外緊急検査の実状
稲生 富三
1
1社会保険中京病院検査部
pp.984-986
発行日 1974年9月15日
Published Date 1974/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917355
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はじめに
かつては病棟であった古い建物の内部を一部改装し,そこに遠距離出身の検査技師が初めて居住したのは1965年の春であり,それが今日に至っている.いつのころであったかさだかではないが,記憶をたどっていくと1966年ころではなかったかと思う,この古い建物に居住していたひとりの検査技師が,ある朝,筆者のところにやってきて,"昨夜A先生が急患の心電図をとってくれと言われたので,あまり自信はないがとりました"という.これまで,勤務時間外に検査技師が検査業務を行ったのは病理解剖以外には前例がなかったので,依頼する医師と検査技師の個人的なつながりによる行為として扱うことになった.
それからは,2,3か月に1回くらいの割合で行っていた.そのうちに血球計数も加わって2,3年が経過した.しだいに回数がふえ,ナトリウム,カリウムなどの電解質も検査できないかという声が医師のあいだから出てきた.
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