入門講座 血液
血液疾患—4.リンパ節腫脹をきたす疾患
寺田 秀夫
1
1昭和大臨床病理
pp.1084
発行日 1968年12月15日
Published Date 1968/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917265
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リンパ節は球状またはそら豆型の結節で,その内部構造は図のようで,結合織の被膜で包まれ,この被膜から線維柱が実質内に入りこんで,リンパ節をいくつかの小葉に分けている。被膜の各所から輸入リンパ管を通って運ばれてきたリンパは,複雑なリンパ実質の構造を通って臍門部に至り,輸出リンパ管に集められてリンパ結節を去るか,この間にリンパ球,形質細胞の産生ならびに細菌,異物,腫瘍細胞などの抑留や,喰食などの網内系機能が行なわれるわけである。
リンパ節腫脹をきたす疾患は表のようであり,局所性リンパ節腫脹は付近の化膿性炎症による2次性リンパ節炎が最も多く,それに次いで癌の転移が多く,特に左鎖骨上部正中側のVirchow(ウイルヒョー)リンパ節は,消化管や胆嚢や膵臓の癌による転移によってしばしば腫脹する。
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