講座 検査技術者のための臨床病理学講座5
血液形態学的検査の臨床的意義(2)
日野 志郎
1
HINO SHIRO
1
1東京逓信病院内科
pp.799-802
発行日 1964年10月15日
Published Date 1964/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916820
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赤血球の変化を主とする病気
赤血球の質的変化が問題になることはいうまでもないが,その場合,多くは量的な変化を伴っているので,まず量的変化をとりあげるのが便利である。
量的変化を知る検査法には,赤血球数・血色素量・へマトクリット値の測定がある。それらが増加した状態を一般に赤血球増加症と呼び,減少した状態を貧血という。以上の3つの測定値はおよそ平行的に変化するから,これらの状態の有無を知るだけの目的なら,いずれか1つで大体間にあう。しかし病気の種類によって3つの値は必ずしも平行的に変化しないから,この事実を使って,逆に病気の種類の鑑別をすることができる。その際色素指数だのWintrobeの平均赤血球係数だのの計算がものをいうことになる。
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