技術解説
血清中乳酸脱水素酵素(LDH)の測定とその意義(1)
春日 誠次
1
KASUGA SEIJI
1
1関東逓信病院臨床検査科生化学
pp.361-366
発行日 1964年5月15日
Published Date 1964/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916760
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原理
この乳酸脱水素酵素Lactic(Acid)Dehydrogenaseと呼ばれる酵素は乳酸⇄ピルビン酸の反応を接触する作用をもっている。すなわち
(図省略)
この反応は酸化還元反応の一種であって,乳酸→ピルビン酸の場合には,2原子の水素がとれる――すなわち乳酸が酸化されたのであり,逆反応の場合はピルビン酸が還元されたことになる。従ってこの反応が行なわれるためには,水素(2原子)がとられ,あるいは与えられることが必要であって,その意味での媒体となっているのがNAD(Nicotinamide Adenine Dinucleotide)あるいはDPN(Diphosphopyridine Nucleotide)と呼ばれるものである。
NADは次のような構造をもっている。
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