特集 小児の検査
グラフ
小児の脳波検査
吉井 信夫
1
1慶応大学中検脳波室・脳神経外科
pp.621-622
発行日 1967年9月15日
Published Date 1967/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916193
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小児の検査のうちでも脳波検査はもっともむづかしいものとされている。その理由は検査が長時間かかり,睡眠中を除けばその間患児の協力を必要とするからである。一口に小児というがその成長段階によって3つに分けられる。すなわち意志を全く通じることのできない,身体の自由がない乳児と,ある程度の疎通のできる幼児,よく此方の意志,命令をききわける小児などに分かれる。5歳以上でもときにききわけがなく検査に苦労することもある。
この様に小児の脳波検査にはその年齢による特殊性に考慮を払わなければならないが,一般的事項として,検査前に親しくなっておき安心して検査を受けられる様にしておく,母親および家族の付添いは普通検査室内に入れた方が良い。根気よく患児に対して愛情をもって接する,といって我儘にさせることなく節度をもって(叱るべきことはやわらかく叱る)接する,などが必要である。このほか成人とは異った電極の配置,電極の接着法,ルーチンの記録法,誘発法などに種々の工夫が必要となる。
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