展望
公衆衛生検査と臨床検査
芦沢 正見
1
1国立公衆衛生院疫学部
pp.506-507
発行日 1967年7月15日
Published Date 1967/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916670
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公衆衛生検査の問題点
公衆衛生検査と臨床検査はそれぞれ近代の公衆衛生および公衆衛生学,医術および治療医学の進歩を実質的に支えてきている技術であることはいうまでもない。臨床検査とは何かということは説明を要しないほど自明であるが,公衆衛生検査の方は社会防衛上の行政技術として生まれ,発達したものであり,はじめから公的機関の業務として存在していた点が臨床検査と異なる点であろう。検査の対象も,人体に向けられたより,当初はむしろ不良不純の医薬品,食品の検査,空気,水の検査などの生活環境に向けられていたといえる。わが国の衛生試験(研究)所のはじめは明治7年に東京府下に設けられた司薬場にさかのぼる。明治23年の司薬場官制から業務内容をうかがうと次のようである。
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