特集 簡易臨床検査法
尿
シノテスト簡易診断試薬(尿検査試薬の部)
国宗 博
1
1シノテスト商事株式会社学術部
pp.871-874
発行日 1967年12月5日
Published Date 1967/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916265
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シノテスト簡易診断試薬は篠原博士が,従来の臨床検査が実験室向非能率的でそこに何ら機動性も見当らず,それらが臨床検査の一般臨床医家への普及の妨げとなっている現状をみて,これを打破し,いつどこでもたとえ僻地の往診先においてでも,必要最低限の臨床検査が必ず実施できるようにとの目的で,戦時中すでに開発されたものである。
したがってごく最近のペーパー法のシノテスト8号を除いては,ほとんどの試薬は1回分がアンプル入となっていることがいちじるしい特長で,このアンプルがそのまま試薬ビンであり,試験管であり,また比色管でもあるきわめてユニークのものである。アンプルに密封されているため試薬は常に新鮮で保持性にとみ,ペーパー法などと異なりうっかり試薬に栓をし忘れたというようなことは考えられない。また1検体1試薬が原則であるから,開封によって余分な試薬が無駄になるということもない。すなわち経済性にとみ,安全で,取扱いが簡易で,何ら器具がいらず,どこでも実施できるといういちじるしい特長をもつ。また,本法によって得られる精度は従来からの方法によって得られるものと全く匹敵する。定量結果については,少なくとも診断に役立つだけの精度は維持されている。
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